学校のカイダン第5話スピーチ内容を徹底解説 伝わる上手な話し方の極意
ツバメのスピーチに絞った解説をアップしました(22:30)。テレビドラマの「学校のカイダン」は「コトバで世界を変える物語、はじまる」をテーマにしています。平凡で気が弱い女子高生が謎のスピーチライターのアドバイスを受け成長していく物語です。今回はその第5回から伝わる上手な話し方のコツを分析してみました。
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学校のカイダン第5話スピーチ内容に学ぶ 伝わる上手な話し方
第5話の「伝わる上手な話し方」に関係するあらすじ
・ツバメは生徒会長の役割を離れ、クラスの文化祭の実行委員長となり、クラス出店として本格的なレストランを準備します。
・8人のセレブ軍団が妙に協力的でしたが、それは罠でかまどが壊されクラスのメンバーも文化祭参加を諦めてしまいます。
・生徒会役員でレストランを準備していたものの、役員Aが襲われ怪我をしてしまい、安全のためツバメ一人で作業することになってしまいます。
・クラスの一員でもあるセレブ軍団の1人Mが中心となり、ひとりぼっちで作業をしているツバメを笑います。
・謎のスピーチライターは、リーダーの顔色を気にし承認欲求だけで行動し、愛想笑いをしているセレブ軍団の1人Mにアプローチするようアドバイスします。
・ツバメは、セレブ軍団の1人Mのことを調べます。Mは中学のときにいじめを受けた経験があり、高校ではセレブ軍団に無理に取り入りいじめる側に回っています。
・ツバメは文化祭前日、クラス全員を教室に呼びます。
上手な話し方(スピーチ)のコツは「???」
謎のスピーチライターが指南した伝わる上手な話し方のコツ
・怒りをぶつける→悲しみをぶつける→願いを述べる
今回は第4話で、泥団子を投げた方法と同じパターンでした。
①(怒りをぶつける)
ツバメは、まず文化祭を思い出にしたいのに8人のセレブ軍団の顔色をうかがっているだけのクラスの全員に「このふぬけども」と大声で怒鳴ります。この意外な一言と怒りに気圧(けお)され、皆少しは言い分を聞こうという気になります。
②(悲しみをぶつける)
ツバメは、中学のときにいじめる側に回り一人で弁当を食べている生徒をからかうときの自分は、笑っていたけど楽しくなかった、本当になんて笑っていなかったと悲しみをぶつけます。クラスのメンバーはいつも8人のセレブ軍団の顔色を気にして、いじめる側に回り楽しいふりをして笑っているので共感を持ちます。
そして、一人で食べる弁当の味はどんなものだろう?と悲しい気持ちを理解させ、ツバメに対して取った行動への反省を促します。
③(願いを述べる)
愛想笑いや楽しいふりの笑いをやめて、みんなでシチューを食べ本当に笑おうと訴えます。セレブ軍団の下っ端Mには、仲間に入れてもらうための愛想笑いをもうやめようと語り掛けます。そして、クラスのメンバーには本当は文化祭を楽しみたいのに、セレブ軍団を気にしていじめに加担して笑っているふりをするのはやめようと語り掛けます。
そして、明日レストランを手伝ってほしいと願いを述べます。
・対比や具体的な比喩を使う
対比は今回初登場です。対比だけでなく、比喩を絡めているので少し難しいです。わかりやすく言うと、セカオワの「ドラゴンナイト」が、戦争と平和を対比し、平和の象徴として百万年に一度訪れる夜の「スターリースカイ」を象徴としているのと同じです(参考 セカオワ「ドラゴンナイト」の歌詞の意味をママなりに解釈したざます )。
ツバメは、「ひとりぼっちの弁当」を笑う様子を見せかけの笑いの象徴に置きます。そして、「みんなで作るシチュー」を楽しいから笑う本当の笑いの象徴に置きます。
ひとりぼっちの弁当(象徴)= 見せかけの笑い(対比)
みんなで作るシチュー(象徴)= 本当の笑い
参考:伝わる上手な書き方 「3色のイメージ」だけで文章が見違えます
・話者の思いを象徴する小道具を準備する
小道具は過去にも登場しています。
ピンクのカバ(バカになろうというメッセージを象徴) … 第3話で登場
泥団子(生徒の怒りを象徴) … 第4話で登場
今回は「棒」が小道具になりました。この「棒」は生徒会役員Aがセレブ軍団の差し金で襲撃を受けた暴力の象徴でした。しかし、ツバメはここでも対比という考え方を使ってこの棒をシチューを混ぜる道具にしてしまいます。
つまり、暴力でなく友情や本当の心の底からの笑いの象徴にします。そして、クラスの入り口にこの棒を置き、自分でよく考えて「ふぬけ」として保身のために作り笑いをするのをやめ、本当に笑いたいなら明日乗り越えて来てほしいと訴えます。
翌朝、クラスのメンバーはもちろん、8人のセレブ軍団の一員だったMもやってきます。Mは取り入るための愛想笑いばかりだったセレブ軍団を脱退します。
補足① セカオワ ドラゴンナイトの全体構造
戦い(対比)
百万年一度の夜、星空、月明かり、炎(象徴)= 休戦、友好
補足② 今回のツバメのスピーチの全体構造
ひとりぼっちの弁当(象徴)= 見せかけの笑い(対比)
みんなで作るシチュー(象徴)= 棒(象徴)= 本当の笑い
歌詞の作り方もスピーチも同じ構造が使われています。
詳しくは → 伝わる上手な書き方 「3色のイメージ」だけで文章が見違えます
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