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学校のカイダン第2話スピーチ内容を徹底解説 伝わる上手な話し方の極意

      2015/02/01

テレビドラマの「学校のカイダン」は「コトバで世界を変える物語、はじまる」をテーマにしています。大人しい女子高生が謎のスピーチライターのアドバイスを受け成長していく物語です。話はシンプルなものの、メッセージを読み取るのは難しいという感想も多くでています。今回はその第2回から伝わる上手な話し方のコツを分析してみました。

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学校のカイダン第2話スピーチ内容に学ぶ 伝わる上手な話し方

キャプチャ
主典:日本テレビ2015年1月11日「学校のカイダン」

第2話の「伝わる上手な話し方」に関係するあらすじ

・生徒会長を押し付けられたドジでのろまなツバメは第1話で親友の退学Aを阻止できたものの、全校の生徒からは信頼を得られません。
・謎のスピーチライターにまずは仲間を作るよう指示され、生徒会役員に働きかけます。
・その頃、生徒会のお金(通学バスのレンタル代)が行方不明になり役員から信用を失います。しかし、お金はセレブ軍団の差し金で生徒会の役員Wが裏切って盗み出していたのでした。
・仲間だ思っていた生徒会役員の裏切りを受けたことに対して、謎のスピーチライターは当然だと言います。ヒントとして、ツバメにお前はどれだけ彼らのことを知っているのかと問いかけ、一人ひとりの日常をよく見てくるように指示します。

上手な話し方(スピーチ)のコツは「相手一人一人の悩みをつかみ決して責めないこと」

 謎のスピーチライターが指南した伝わる上手な話し方のコツ

・考え方を変えてほしい相手の生活を体験し、一番の「悩み」をつかむ。第3話にも登場)

謎のスピーチライターの指示を受け、ツバメは自分を裏切った生徒会役員Wの自宅を訪ねます。彼女は母子家庭で貧しい暮らしをしておりアルバイトに出ています。夜の公園で本人に尋ねると、家族の生活を守るために高校を辞めるわけにはいかず、権力を持つセレブ軍団に逆らえなかったいう事情が分かりました。

プレゼン(発表)、営業、講演、面接、スピーチ。あらゆる場合に共通するのが話し手と聞き手の立場が異なることです(同じであれば持っている情報が似ているので伝える伝えられるという場に立つことは少ない)。例えば、講師と聴衆、営業マンと顧客、求職者と人事部担当者とことごとく立場は異なります。

そういう立場の異なった相手に自分の想像からなる意見を押し付けても相手は説得されないのは当然のこと。学校の先生なら生徒と同じように部活や勉強を体験した方が望ましいですし、営業マンは実際に商品を買って使ってみるしかありません。

伝わる話をしよう、上手に話そうという場合に、原稿の論理(ロジック)の流れが鍵になるというような説明をする人がいますが、それは最優先ではありません。自分の生活を覗きに来たり体験したりしてまで、自分のことを本当に理解しようと務めている人が一所懸命に話すこと。それに対しては、たとえ多少論理的でなくても、流暢に言葉が出てこずとも納得するはずです。

・聴衆を引き付ける動作を入れる。第1話にも登場)

ツバメは生徒会役員全員を生徒会室に呼び出します。すると鍵がかかり急に電気がつき、押入れに隠れていたツバメが登場します。開口一番に「仕方ない教のみなさん」とあえて相手を卑下するような言葉を発します。

第1話でツバメはマイクを投げ捨てメガフォンを取り出しましたがこれと同様のテクニックです。人の話を長時間聞くというのは、相手が明石家さんまのような非常な話上手であったり、特に興味のある人間でなければ誰でも多少はつらいものです。

そういうときに、開口一番「今日は◯◯についてお話します。申し遅れましたが……。」という風に導入してしまっては、聴衆はがっかりするだけです。もちろん堅苦しい場のため、アレンジの効いた入り方が出来ないという場合もあります。

あるプロの講演者は堅苦しい場では、「今朝、……ここに来たとき……、ある女性がとても元気にあいさつをしてくれました」という導入をしています。この導入には3つの優れた点があります。

・挨拶や自己紹介でなく、「今朝」という言葉から入るので意外性がある。
・相手の周辺の話から入るので興味が沸きやすい(関連記事 →  自己紹介を成功させるたった1つのコツ)。
・自分たちの仲間が褒められているので悪い気はしない。

場の雰囲気に応じて許される範囲で以外な導入をすることが、伝わる上手な話し方のコツになります。

・相手が少人数の場合は名前を覚え一人一に話しかける。

自分を裏切り不信任を突きつけた生徒会役員を集めたツバメは、コツコツと調べた生徒会役員ひとりひとりの一番大切なものを挙げていきます。自分で研究した料理のノート、トランペット、絵のスケッチブック、自作のロボット。こういったものを守るために自分は生徒会長として学校を変えたいと訴えるのです。

相手が100人でも50人でも10人でも話し方を変えない人もいますが、それは改善の余地があります(関連記事 大勢に「話す」というスタンスで講演(プレゼン)は即失敗)。10人なら全員の名前を把握して、名前を呼んで質問をしたり、直前で話したことを簡単にまとめてもらったりしながら進行するのが望ましいです。

当てられたくないのではと気を使って聴衆に話しかけない人も多いですが、それは個々のキャラクターによります。人前で話すことが苦手でなく話好きな人もいますので、開始直後の緊張感がある時間は特にそういう人を当てていきます。話好きな人は、逆に一方的に話を聞かされるよりは良いと思っているものです。

なお50人位になると名前を把握したり質問を投げるのをギブアップする人が多いのですが、そういう場合各列の一番前の人の名前だけさっと聞いておきます。そしてその人に質問をしたり、◯◯さんの列の前から3番目の方という風に指名していくと、相手から見ても分かりやすいです(たとえ他人の名前であっても名前を絡めて呼んでもらうと、「そこのあなた」と言われるより感じは良いです。言葉とは不思議なものです)。

・相手がどう出ようと、相手を責めることなく自分を責めることで自然な形で相手に気づかせる。

最終的にお金の紛失は警察沙汰になりますが、ツバメは自分を裏切った生徒会役員を庇い全ての罪を被ります。そして生徒会室で役員全員に話す際も、終始私が分かってあげられなくて悪かった。生徒会長失格だと自分を責めていきます。

人は自分が責めれれるとつい反発してしまいます。人の気持ちは鏡のようなものだからです。話者が相手を責める気持ちを持つと、相手も話者に反論したいという気持ちを持ってしまいます。逆に話者が自分を責めると、人の心は鏡ですので相手は、そんなこと言わないでほしいと自分を責めるような気持ちになり、結局話者が言いたいことはうまく伝わります。これは伝わる上手な話し方の大きなポイントです。

今回は以上です。

謎のスピーチライターが教える伝わる上手な話し方のまとめ

・聴衆を引き付ける動作を入れる。

・相手が少人数の場合は名前を覚え一人一に話しかける。

・相手がどう出ようと、相手を責めることなく自分を責めることで自然な形で相手に気づかせる。

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