伝わる上手な話し方 羽生結弦に学ぶ緊張、上がり症を克服するコツ
2015/02/10
伝わる話し方、上手な話し方の大前提ともいえる「緊張、上がり症の克服」。今回の記事ではスケートの羽生結弦の方法論を参考に具体的に考えてみます。
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緊張、上がり症の克服は伝わる上手な話し方の第1歩
まずは、以前の記事で触れた方法をおさらいしておきます。
1つめのコツ(面接を除く)
配布した資料(レジメなど)をひとつひとつ確認して目線をそらし、注目の視線を集めやすい自己紹介はシンプルに徹する。
2つめのコツ(プレゼン、発表、営業、講演、面接、スピーチ共通)
聴衆(相手)をじっくりと観察し「目線の入れ替え」という技術を使う。
羽生結弦選手に学ぶ緊張、上がり症対策とは
羽生結弦選手のコーチであるブライアン・オーサー氏は、もともとスケート選手でカナダに生まれ2つのオリンピックで銀メダルを獲得しています(このころベストパフォーマンスを実現するために心理学者の指導を受けています)。引退後には韓国のトップスケーターのキム・ヨナを指導。腰痛に加え精神的な弱さでボロボロであった状態から見事に立て直し金メダルに導いた実績があります。その後キム・ヨナとは袂を分かち羽生結弦と出会います。
ブライアン・オーサー氏は、心の鍛錬(メンタル・プリペアレーション)と体の鍛錬(フィジカル・プリペアレーション)は不可分のものだと考え、練習を繰り返し演技の出来の平均値を徐々に上げていき、本番ではベストパフォーマンスでなく平均値が出ることを想定すべきだと考えています。
私たちが緊張するのは、ベストパフォーマンスを出したいというプレッシャーから気持ちや体が固くなるからです。本番ではあくまで平均値を想定し、平均値でも互角に渡り合えるようにしておく。羽生結弦はこのような指導を受けているのです。
プレゼン(発表)、講演、面接などでも同様のことが言えます。聴衆や相手方が存在し環境も変化する本番では「平均値」は出せても「最大値」は出せないものです。当日に備え、必要だと思う量の倍くらいの練習をこなす必要があるのです。羽生結弦選手の場合も、実際にはオリンピックで見せたパフォーマンス以上の技量まで積み重ねておいたからこその金メダル獲得だったわけです。
プレゼン(発表)、講演、面接、スピーチの前日にやっておくべきこと
伝わる上手な話し方のコツの半分は前日の過ごし方にあると言っても過言ではありません。前日までにかなりの貯金がある状況に仕上げておくことが成功の秘訣だからです。具体的な練習方法を挙げておきます。
・話した内容をスマホの録音機能などを使い録音して確認する。
・話す様子を録画して、身ぶり手ぶりなども含めて確認する。
・他人に話す様子を見てもらいコメントしてもらう。
下に来るほど手間はかかりますが、効果は大きくなってきます。最低限録音まではやっておくと安心です。なお、前提としてレジメやメモをほとんど見なくても話せるようにしておくのは鉄則です。当日気にすべきことが多ければ多いほど失敗や緊張のリスクも上がってきます。
緊張、上がり症対策のまとめ
・前日まで 本番では想定より低いパフォーマンスになることを予測し、平均の出来でも納得できるような練習を積んでおく。
・当日 1つめのコツ(面接を除く)
配布した資料(レジメなど)をひとつひとつ確認して目線をそらし、注目の視線を集めやすい自己紹介はシンプルに徹する。
・当日 2つめのコツ(プレゼン、発表、営業、講演、面接、スピーチ共通)
聴衆(相手)をじっくりと観察し「目線の入れ替え」という技術を使う。
当日にやっていることはスケート選手でも同様ですが、周囲を気にする気持ちを制御していくということです。もちろんスケートも話すこともコミュニケーションですので相手ありきなのですが、いったんそのスイッチをオフにして自分の内面だけに集中するということです。相手が数人であろうが数百人、数千人であろうが「一人になろうと思えばできる」という技術が重要です。
前日から当日までの流れを要約すると以下のようになります。
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