伝わる上手な話し方 強調したい点の前には間を置く?嘘を言うな
2015/01/23
「当社の商品は、従来のものと比べ機能は3倍、価格は半額というのが特徴です」「当社の商品の特徴。それは…………機能は3倍、価格は半額です!」この2つの話し方を比べてください。後者のほうが間があるので聞き手を引き付け、よく伝わります。こんな説明がありますが本当でしょうか?
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伝わる上手な話し方 聞き手もレベルアップしています!
最近の広告の話です。
・「え?うそ…… これが私の脇のにおい?」
・「すごすぎ! 今なら半額で買えるみたい」
こんな「心情表現」から入る広告でをよく見かけませんか?これはどうやら「某広告本」の手法を真似た方法が一気に広がったもののようです。最初のうちは注目する人もいますが、からくりに気づいてしまった人は、ワンパターンの手法に徐々にうんざりしてきます。
最近は下火ですが季節ごとに行われるような「閉店セール」も同様でしょうか?実は改装閉店で閉店などしないのでが、これに引っかかる人はかなり減ってきていると思います。
このように営業や広告の手法も近年は短期間に異常に使われて飽きられてしまうことが多くなっています。
「当社の商品の特徴。それは…………機能は3倍、価格は半額です!」
このようにあからさまな間を置く言い方は、大人の消費者なら警戒する方もいらっしゃるのではないでしょうか?このあまりにあからさまな人の気を引く方法に対し、手法に気づいた人は「だまされまい」と思って身構えてしまいます。特に相手が交渉経験の豊富な社会人、買い物に慣れた主婦ならばまず使用できません。お年寄りや学生などあまり広告慣れしていない人ならまだ効果があるかもしれませんが。
本質は間を置くことにあるのではない
もう少し深く考察すると実は次のようなことがわかります。
「当社の商品の特徴。それは…………機能は3倍、価格は半額です!」
のように間を置くのが効果があるのは、話し手が聞き手に対し、真剣に何かを伝えたいとか役に立ちたいといった気持ちがあるとき、この間(ま)に気持ちがこもってくるから効果が出るのです。相手を思う気持ちがないのに間を置いても、そのとき話し手の声や表情に真剣さは表れません。単にテクニックに偏った話し手だと見抜かれるのが落ちです。
よく大学入試センター試験の国語の小説の問題に間(ま)の表現効果が出題されます。小説などの「……」に傍線が引かれその用法を問う問題です。このとき、「……」が主人公の複雑な思いを余すところなく伝える、という類の選択肢を選ぶとたいてい不正解になります。読者は前後の場面から主人公の気持ちを読み取っているから「……」の意味を察しているのであって、「……」に思いを伝える効果など一切ありません。
「当社の商品の特徴。それは…………機能は3倍、価格は半額です!」と言えば相手に伝わると説明している人もいますが、プレゼン(発表)、営業、講演、面接、スピーチ、営業など伝わる話し方の本質をやや誤解させる説明ですのでぜひご自身で深く考えてみてください。
伝わる上手な話し方というのは、相手のことを理解して相手が必要なものを提供し喜ばれようというスタンスが原点です。それだけで良いというような表面的なテクニックは存在しません。
伝わる話し方 間を置くならこっち
間を置くということで考えるなら、話している内容によって間の置き方を変えることをマスターするほうが重要です。
例えば、相手に資料を見せながらその内容を読み上げているときと、資料に書いていないことを話しているときで話し方をかえるというスタンスのほうが重要だということです。
相手に資料を見せながらその内容を読み上げているときは、普段通りの話し方で構いません(多少早くてもよい)。一方で、資料に書いていないことを話しているときは、要所要所で間を置くことが伝わる上手な話し方のコツになります。講演、プレゼン、営業などでは相手の知らないことを話しているのが前提です。そのため普段通りの速さで話すと、譬えて言えば相手の噛む(かむ)スピードを無視して食べ物を詰め込んでいるような状態になり、聞き手は途端に消化不良になります。
相手にとって新しい情報、理解が難しい情報を伝えるときは、小学校の教科書の「わかちがき」のように、間を置きつつ話すのが有効です。そうすると相手が頭の中で一瞬考える時間ができるのでよく伝わるし、しかも相手が一方的に聞くことに疲れることがないので飽きないというおまけもつきます。
わかちがきとは 今 書いているように 句読点の 位置とは 無関係に 少しずつ 間を 置くような 書き方です。
あまり長く露骨にやると かえって鬱陶しいので要注意ですが 意識の上でわかちがきに近い話し方をする。このことは重要です。政治家はこの話し方をする人が多いですね。わかちがきの説明を引用しておきます。
はなしことばの 発音は、ずらずらと 連続しているもので、音の きれめが くっきり あるわけでは ありません。けれども、文字で 表記するときには、ことばの 意味の きれめに スペースを いれて くぎることが あります。これを、日本語では「わかちがき(分かち書き)」と いいます。
出典:http://www.geocities.jp/hituzinosanpo/wakatigaki/
※もちろん資料がなくても、相手が知っていることを確認する場合、易しい内容、自己紹介などは早口で構いません。
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