学校のカイダン第８話スピーチ内容を徹底解説　伝わる上手な話し方の極意

謎のスピーチライターが指南した伝わる上手な話し方のコツ

・主張したいことに相手の思いを取り込む

「私たちはあなたが捨てた全てです」。教頭を前にツバメはこう言い放ちます。ツバメが言いたかったことは「私たちは自分の夢を追ってみたい」ということにすぎません。しかし、それでは過去に生徒に裏切られ管理教育路線に転換した教頭の心を動かすことはできません。

そこでツバメは、教頭が生徒を励まし目標を実現させるという自分自身の夢を捨てたことに注目します。自分たちは努力し目標を実現させるから助けてほしいというわけです。

教頭は「あきらめることが大人になることだ」「同じ形の社会の部品になることだ」「生徒は必ず裏切る」を持論としていました。しかし以前は生徒に「どんなに失敗しても気にするな」「明日もっと失敗すれば良い」と教えていたのです。そのことを以前の生徒が書いた寄せ書き風のタイツを小道具に思い出させようとし、結果的には大成功でした。

プレゼン（発表）、営業、講演、面接、文章の作成には、必ず最も伝えたいこと（結論）があります。そしてそれは、こちら側がそうしてほしい、そう考えてほしいという願いであって、聴衆（読み手）や違う立場の人を無視したものになっていることが多いです。

そこにうまく「相手の思い」を盛り込むことで、相手に意見を変えさせるというよりは、単に自己追認させてしまおうという大がかりな説得術です。

例えばマンションの管理者や住人は、いつも犬のフンを片付けない飼い主がいれば「犬にフンをさせるな」「フンの片づけは飼い主で」と張り紙を貼ることになります。しかしそれは、当然の主張ではあるもののマンションの住民の利益や権利を主張しているにすぎません。

もし飼い主の思いを考えて取り込むならば「しつけのよくできたワンちゃんを歓迎します！」の方が伝わる書き方となるでしょう。プレゼン（発表）、営業、講演、面接などで伝わる上手な話し方をする。この場合にも応用できそうな気がします。