学校のカイダン第4話スピーチ内容を徹底解説 伝わる上手な話し方の極意
2015/02/01
テレビドラマの「学校のカイダン」は「コトバで世界を変える物語、はじまる」をテーマにしています。平凡で気が弱い女子高生が謎のスピーチライターのアドバイスを受け成長していく物語です。今回はその第4回から伝わる上手な話し方のコツを分析してみました。
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学校のカイダン第4話スピーチ内容に学ぶ 伝わる上手な話し方
第4話の「伝わる上手な話し方」に関係するあらすじ
・ツバメは第3話で生徒会役員に加え卓球部員の強力も得て8人のセレブ軍団にバスケットボールの試合で勝ちます。
・そんな折、先生と女子生徒H(8人のセレブ軍団の1人)の交際の写真を入手したひとりの生徒会役員が校内新聞に掲載してしまいます。
・結局学園側の都合で女子生徒Hにだけ責任が押し付けられ、セレブ軍団からも村八分にされてしまいます。
・ツバメは、パリ校へ転校することになった女子生徒Eを庇(かば)います。
・ツバメは転校願いを提出しようとした女子生徒Hを庇い、職員の前でスピーチを始めます。
上手な話し方(スピーチ)のコツは「感情を使い分けること」
謎のスピーチライターが指南した伝わる上手な話し方のコツ
・聴衆に共通の敵を作る
謎のスピーチライターは、女子生徒Hと交際をしていた教師を生徒全員の敵に設定します。教師をやめさせる署名運動が始まり、学校を乗っ取るという謎のスピーチライターの作戦通りに事が運びますが、ツバメが女子生徒Hに肩入れし中途半端に終ってしまいます。
これは、第1話で謎のスピーチライターが伝授した「話し手と聴衆という関係でなく全員を同じ立場にしてしまう」と共通する部分があります。もし話し手の感情をうまくコントロールしたい場合、話し手と聞き手という関係を解体し、共通の敵との対比構造に持ちこみ一体化してしまうというテクニックです。
アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領がイラクを敵に回すことで国民と一体化しその支持を集めてきたことは有名です。また日本でも小泉元首相が、郵便局の利権で甘い汁を吸っているとされた(特定)郵便局長や政治家を共通の敵に回し、「郵政解散」という選挙で勝ったことも有名です。
スケールが大きすぎ普段のプレゼン(発表)、営業、講演、面接、スピーチ、文章の作成には使いにくいと思うかもしれません。しかし、例えば面接で汚いやり方をしているライバル会社のことを話題とし、一緒に倒したいという雰囲気を伝えれば採用の可能性が上がるかもしれません。身近なところでも十分に活用する余地はあります。
・まず怒りをぶつける
女子生徒Hが転校届けを提出する寸前に職員室に乗り込んだツバメは、教師に泥団子を投げ素直に怒りを表現します。抑制された怒りでは、押さえつけよう説得しようという反応を引き出してしまいますが、泥団子を投げ怒りをぶつけることで教師たちは多少は言い分を聞かなければならないという雰囲気になります。
これは使い方が難しいですが、相手が全く話を聞く気がないと感じたときに、感情を抑えるどころかむしろ大げさに怒りを現すことで、聴衆は一旦は聞く姿勢をとるはずです。
・話者の思いを象徴する小道具を準備する/最も伝えたい端的で短いメッセージを準備し繰り返す。
また、ツバメはこの怒りのスピーチのなかで、教師たちの「大人の消しゴム」というものを持っていて、なにかトラブルがあれば全て無かったことにしてしまうと批判します。泥団子や「大人の消しゴム」という言葉は、第3話のピンクのカバや「バカになろう」という言葉と同じく、話者の思いを象徴する小道具を準備する、最も伝えたい端的で短いメッセージを準備し繰り返すというテクニックです。
泥団子=ピンクのカバ(3話)=話者の思いを象徴する小道具
「大人の消しゴム」=「バカになろう」(3話)=端的で短いメッセージ(キャッチフレーズ)
例えば梨のデザインであるふなっしーが「~なっしー!」を繰り返すことで、船橋=梨の産地であることが強く印象づけられます。実際には船橋市はそこまで梨にこだわっていませんが、船橋市の存在すら知らなかった人にも、「象徴的な小道具+キャッチフレーズ」の威力は絶大で、かなり知名度が上がっています。
「象徴的な小道具+キャッチフレーズ」のパワーは、スピーチ、プレゼン、発表、講演で簡単に活用できそうです。
・怒りをぶつける→悲しみをぶつける→願いを述べる
教師にダイレクトに怒りをぶつけたツバメは、今度は自分たちも「大人の消しゴム」を使い始め、安易に仲間を切り捨てるようになってしまうとしたら悲しいと切々と訴えます。怒りで聞く耳を持たせたあとは、同情を誘うという形です。そして、最後には相手に主張を押し付けるのでなく、相手を立ててお願いという形でこちらの要求をうまく飲んでもらおうとします。ツバメは、両親の保護が受けられない自分を守ると約束した教師の言葉を最後まで信じさせてほしいという女子生徒Hの小さな願いを伝えます。
この説得術はかなり効果がありそうです。例えばあなたが万引き犯や痴漢の犯人に間違えられたとします。万引きであれば、まず店員や警備員に怒りをぶつけてこちらのいうことに耳を傾けるように仕向けます。次に普段仕事やアルバイトを一生懸命やってきちんと稼いでいるのに誤解されて悲しいと切々と訴えます。最後に真犯人を見つけてくださいと願いでるという手順です。単純に自分じゃないとただ大騒ぎしたり、訴えるぞと威嚇し続けるよりも効果的な気がしませんか?
今回は以上です。
謎のスピーチライターが教える伝わる上手な話し方のまとめ
・聴衆に共通の敵を作る
・話者の思いを象徴する小道具を準備する/最も伝えたい端的で短いメッセージを準備し繰り返す。
・怒りをぶつける→悲しみをぶつける→願いを述べる
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