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伝わる上手な書き方、話し方 ネタ選びのコツ

      2015/01/23

伝わる上手話し方を考えるうえで今日はネタ選びのコツを考えてみました。

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そもそも伝えたいことがない?

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ある高校で国語教育の一環として、新聞に投書をしてみようという企画があり講師として参加しました。最初に各自が新聞の投書欄の切り抜きを読み雰囲気をつかんだ上で、実際に書いてみるというものです。そのとき多くいらっしゃたのが「そもそも何を書いていいかわからない」という生徒。高校の先生が、自分の将来、高校生活のこと、社会のことなどヒントを出してもなかなか出てきません。

 

伝わる上手な書き方、話し方 ネタ選びのコツ「読み手」

このときアドバイスしたのが、まず「読み手」を想定すること。どんなに文章を書くのがうまい人でも読み手のイメージを想像しないと、ブレがある読みにくい文章になりがちです。事前にテーマが与えられていたり、どうしても伝えたいことが書き手(話し手)にある場合ほど、読み手(聞き手)のイメージが疎かになり駄文や下手な話になるリスクが高まります。

話し方のプロともいえる政治家も、街頭に立つ場合は時間帯によって「ネタ」を変更しているはずです。増税に反対だと訴えるにしても通勤時間帯と昼下がりでは具体的な切り口が異なってくるはずです。

伝えたいことのないという高校生は「読み手」のイメージを持たずにネタを考えている傾向があるような気がしました。新聞の投書欄をじっくり読むのはお年寄りやサラリーマンあたりが多いと思います。そして、その「読み手」が知らないことで多少でも関心を持ってもらえそうなら、原則としてすべて書いていいと指導いたしました。

例えば、高校生が書きやすい事例でいえば「LINE」のこと。現在LINEによるいじめや犯罪が起こっているなど議論があります。読み手のお年寄りやサラリーマンは総じてLINEに触れたことはないので、日常的に使っての感想などごくありふれたことを書いても、興味を持ってもらえます。

なお読み手(聞き手)に関しては、1人または数人程度の具体的な人物像をイメージしたほうが上手くいきます。

 

伝わる上手な書き方、話し方 ネタ選びのコツ「情報の落差」

聞き手のイメージが定まったら「情報の格差」に注目します。

・「話し手」の得意分野
・「話し手」としては日常的過ぎて話すほどの価値をすぐには感じないこと
・「聞き手」の興味関心との擦り合わせ

この3つの要素を順繰りに考えていきます。

投書を作成しようとしている高校生には、「話し手」の得意分野としては、スポーツでも芸能でも構いませんとアドバイスしました。例えば、自分の部活がバトミントンだという生徒は、バトミントンのプロの試合も見ているはずです。一方、新聞投書の読者層は、野球、サッカー、相撲あたりに知っている情報が集中するはずで、バトミントンの話は読み手(聞き手)に十分な価値があり書く(話す)「ネタ」として成り立ちます。

また、タレントの「嵐」はすごく仲がよいという話から、人間関係の話に持っていくことも可能です。嵐の仲が良いということは、高校生の女子には常識中の常識ですが、読者のサラリーマンやお年寄りはまったく存じ上げない話です。もちろん、「嵐」内の具体的な人間関係には興味がないと思いますが、人間関係一般にうまく話を持っていけばよいということです。

※話を相手にも興味関心を持たせるように一般化するには、具体と抽象の変換が必要です。もし苦手な方がいらしたら、「3色のイメージ」だけで文章が見違えますの「伝わる書き方・話し方 主張」の見出しの部分をお読みください。

 

ネタ選びのコツ 「読み手」のイメージ+「情報の落差」

書いて(話して)評価されるネタ(題材)というのは非常にシンプルだと言えます。相手は現在知らないけれど書けば(話せば)興味を持ってくれる内容であり、自分にとっては当たり前すぎること(または得意なこと)をただ書く(話す)だけという簡単な作業なのです。

例えば、山地に住んでいれば近辺に山菜などはあり余っています。しかし、それを都会の人に送ってあげると、とても喜ばれます。もちろんマツタケを探して送ればもっと喜ばれるでしょうが、「自分にとって当たり前すぎて、すぐに情報が集まること」でも相手には価値を与えられるということです。

重要なことは、人は得意分野は認識できても、以下のようなことは意外に見つけづらいということです。

・日常的過ぎて話すほどの価値をすぐには感じないこと
・自分にとって当たり前すぎて、すぐに情報が集まること

こういった内容は盲点になりやすいので強く意識しないと「ネタ」(題材)としては思い浮かばないものです。例えばこのウェブサイトでは人前で話す上での緊張対策の記事を2つ掲載しています。
緊張、上がり症克服のコツは2つ
羽生結弦に学ぶ緊張、上がり症を克服するコツ

しかしながら書き手は年に150くらい毎回別の場所で講演や講義をしますのでもはや聴取が数百人でも緊張することはありません。それは、慣れということもありますが、過去に緊張しない方法を身につけてしまっているからです。そのため、緊張対策ということには今現在強い関心はなく「ネタ」としては思いつきにくいのですが、読者のイメージを強く持ったうえで需要はあるのかなという気がして書いたものです。
ネタ選びのコツは、「読み手」のイメージ+「情報の落差」を考えることなのですが、得意だと自覚している分野以外に、自分が当たり前にできていること(できるようになっておりもう関心が薄くなっていること)にも意識を向けるようにしていきます。

例えばインターネットで「自転車 乗り方」を検索するお子さんや親御さんはそれなりにいると思います。しかしながらタイトルにその2語を含ませてしっかり説明しているサイトは確認したところ4つくらいしかありませんでした。

記事は以上で、以下少し高度なことを記しておきます。私たちが取り組むすべての物事は次のような段階を経て成熟していきます。

(1)いま学んでいること
(2)得意分野(自分がいま得意だと自覚していること)
(3)日常的過ぎて話すほどの価値をすぐには感じないこと

もし人に書いたり伝えたりするとしたら、(1)~(3)のどの段階のことがもっともよく伝わり価値が出てくると思われますか?まず(1)は価値が弱いというのは明らかです。素人が調べながら書いた文章にはどうしても無駄がありますので、奮闘記としての意味がないわけではありませんが多少価値は落ちます。つぎに意外かもしれませんが(3)は意外によく伝わらない場合があります。そもそも書き手が書こうともしませんし、いざ書こうという段になっても自分がどのようにマスターしてきたのかを覚えいだない場合があります。

では(2)がよいのかというと、ほぼ正解です。細かいことを言うと(1)から(2)へ移行していく瞬間や(2)になってから日が浅い分野のことを扱うと、一番よい文章になりますしよい話になります。このことは少しマニアックですのでそれほど意識されなくても結構ですが、ものを書くには「旬」があるという風に頭の片隅に置いておくと書く機会を逃さずに済むかもしれません。

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  1. 匿名 より:

    うん

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