学校のカイダン第６話スピーチ内容を徹底解説　伝わる上手な話し方の極意

謎のスピーチライターが指南した伝わる上手な話し方のコツ

・考え方を変えてほしい相手とよく話し合い、生活を体験し、一番の「悩み」をつかむ。

第３話にも登場しました。ツバメは「敵」であるセレブ軍団のリーダーＳの自宅マンションまで通い本質的な悩みを突き止めます。一見恵まれた生活ですが、すべて親にお膳立てされたもの。人を見下すということ以外に、何ら生きがいのない生活を送っていたのでした。

普段のコミュニケーションから、プレゼン（発表）、営業、講演、面接、スピーチ、文章の作成。あらゆる場面において相手を理解することが大切だと「学校のカイダン」のライターは何度も訴えかけています。

・まず怒りをぶつける

第４話にも登場しました。ツバメは特別採用枠廃止を決議する会議室に押し入ると「子ども同士の争いに親が乗り出すな！」とまず渾身の大声で叫びます。

話始めはとにもかくにも意外性が必要です。どの聴き手もよほどの例外を除いて人の話を長く聞くのは大変ですから、よほどのインパクトがないと聞こうとはしません。ＴＢＳ特番「最新脳科学 人間とは何だ？」が紹介したブラック心理学の秘密の「恋愛の脳科学」の内容にも、人は第１印象を最後まで引きずるという内容がありました。逆に言うと、冒頭で相手を引きつけることができればスピーチの成功率は上がるのです。

第２話などで登場した「聴衆を引き付ける動作を入れる」という法則も似た狙いがあります。

・話者の思いを象徴する小道具を準備する

第５話など再三にわたって登場する定番のテクニックです。つばめはがこの回に用意したのは定規。冒頭でひきつけられた親たちが我に返り口々に反論を始めた時にツバメや周囲の生徒が一斉に取り出すことで「聴衆を引き付ける動作を入れる」効果が出て、また主導権を握ります。

ツバメは、セレブ軍団の親たちが子どもの歩く道に石が落ちていれば拾い、すべてを与えお膳立てをすることで逆に自由を根こそぎ奪ってきたと批判します。結果的に与えたものは「ものさし」ひとつ。つまり、常に貧しい家や普通の家の友人と比べ褒めることで、ものさしを持ち出し人と比べることでしか自己を保てない人間を作ったということです。

自由を奪われものさし一つだけ渡されたセレブ軍団の子どもたちは、将来を決められ、何となくそのものさしで弱いものをいじめることでしか時間を過ごせなくなっていると指摘します。貧しい家の子どもたちは何もないがゆえに夢を考える自由があるというのです。

最終的にセレブ軍団にも親の身勝手さを納得させたものさしという小道具。普段のコミュニケーションから、プレゼン（発表）、営業、講演、面接、スピーチでも応用することはできます。

普段のコミュニケーションのなかで受験生に「キットカット」を贈るのは立派な小道具です。営業で会社の事業を象徴する手土産を準備するのも小道具です。

プレゼンに近い形と言えるテレビＣＭ。カゴメの健康飲料「植物性乳酸菌ラブレ」は浅野温子を起用し、「夜飲んで、朝スッキリ」というメッセージをだるま落としという小道具で表現しました。

このように話者の思いを象徴する小道具を準備するというテクニックは様々な場で生かすことができます。