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TBS特番「最新脳科学 人間とは何だ?」が紹介したブラック心理学の秘密

   

2月11日にTBSで放映された「最新脳科学 人間(人の心)とは何だ?」の内容です。人の心を理解することは、人に何かを伝えるために重要です。

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玉川大学脳科学研究所より

・動物の脳を薄く切ったものを顕微鏡で観察し、実際の脳神経を研究する。
・ネズミの脳の反応を検出し音に変換し、細かい気持ちの変化を観測する。
・言葉の話せない赤ちゃんの視線の動きを観察し、何を考えているかを探る。
・3億円以上するファンクショナルMRIで脳の内部を探る。アナウンサーが恐怖映像を見たときには、他人の痛みを感じることができる「島(とう)皮質」が反応していた。
・脳はどの動物にも共通する古い脳と人間だけにある新しい脳のバランスを無意識のうちに取っている。

脳科学研究所は上のような研究をしていました。脳科学には、学者がそうだと言えばそうというあいまいな部分があるというイメージもありますが、非常に科学的な方法論も取られているようです。

 

「恋愛」の脳科学から考える上手な伝え方

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・点滅している水玉が画面に映りる。しかし、画面全体が回転すると点滅していることが分からなくなってしまう。脳は「動く」という現象を優先している。

・2人の女性の写真を見せて好きな方を選ぶ。いろいろ考えて決めているように見えるが。脳は潜在意識でほぼ瞬間的に決めている。その変化は目線に現れる。具体的には見る時間の長さと瞳孔の開き方で判断できる。これは人が考え始める前に、無意識のうちに決まっている。

・これを逆に利用すると、2人の女性の写真を交互に映し出し、片方を微妙に長く投影すると、大半の人が長く映った方を「好きだ」と判断する。

単純に訪問回数が多い営業マンが有利。これは営業マンには有名な法則ですが、特定の人の経験則では?と半信半疑だった人もこの実験を見ると納得せざるを得ません。コストをかけてカラーの顔写真入りの名刺を配っている会社があることも理解できます。

これは「ザイオンス効果」と呼ばれ、データを取ると訪問回数の累乗の営業効果があるということです。つまり訪問回数が1回の会社に対し、3回の会社は9倍売れていると言えます。「ザイオンスの法則」は「返報性の法則」との相性がいいと言われます。営業マンが相手先に訪問したら、商品の話をするよりも情報提供や悩み相談を圧倒的に優先するということです。この相乗効果で、何度も来てくれて親しみがわいた相手から貰いっぱなしでも悪いという心理がはたらき契約につながります。

これは営業だけでなく、相手を説得するいかなる場合(上手な話し方、文章)にも有効です。

関連する上手な話し方のコツ
・考え方を変えてほしい相手とよく話し合い、生活を体験し、一番の「悩み」をつかむ。詳しくは→学校のカイダン第3話スピーチ内容に学ぶ 伝わる上手な話し方

 

・恋愛で心変わりすることがある。2人の男性に実際に会って選ぶ実験の結果、日数を置いて心変わりがあった人は全員が脳の本能的判断に逆らった方を選んでいることがわかる。「一目ぼれ」が正しい判断と言える。

一目ぼれで判断することで有名なのが松田聖子。非常に理に適っているようです。また全体として、服装や笑顔、大きな声でのあいさつがいかに大切かが理解できます。対面した時の服装や笑顔、発声で潜在意識による判断がなされてしまい、それに逆らった判断を仮に引き出せてもあとあとひっくり返ってしまうということです。言い換えると自分を嫌ってしまった人間をあとから説得して翻意させたとしても、それは長続きしないということです。

 

「広告」の脳科学から考える上手な伝え方

・テレビCMを見ているときの脳波を測定する。「猫が旅するCM(じゃらん)」「少しHなCM(ピーチジョン)」「ダイエットのビフォーアフターが映し出されるCM(ライザップ)」を被験者に見せる。

・例えば「猫が旅するCM(じゃらん)」が印象に残ったという男性は、このCMでは脳波はあまり反応していない。脳波は「少しHなCM(ピーチジョン)」に反応していた。

・また「猫が旅するCM(じゃらん)」が印象に残ったという複数の女性は、脳波を見ると「ダイエットのビフォーアフターが映し出されるCM(ライザップ)」の男性が出てくる場面に強く反応していた。

・成功するCMの3大要素は「異性」「動物」「赤ちゃん」と言われている。

「異性」「動物」「赤ちゃん」のことには何となく気付いている人も多いと思います。名簿流出でイメージを回復したいベネッセは最近赤ちゃんを使っています。この番組でもベネッセは提供社でしたが、この部分と1時間以上離して放映されています。

動物と赤ちゃんは本質的に同じです。動物と言っても大きな牛よりは子猫や子犬が多く登場しますが、これは人の脳が擬人化して捉えるからです。太古の昔より人は種の保存本能として、弱いものをかわいい(古文では慈しむに語源を持つ「うつくし」)と思い守る心をもっているのです。このように異性にしても、赤ちゃんや動物にしても種の保存本能と密接に結びついています。プレゼン(発表)、営業、講演などのレジメを作るときにも「異性」「動物」「赤ちゃん」は活用できそうです。

 

・江戸川区の地域密着のスーパー中村屋は最近客足が減っている。脳科学の立場からアドバイザーが調査します。モニターに協力してもらい目線の動きを確認する。すると店が側が工夫していた入口のチラシや大きな目立つポップは全く見ていない。

・入口のチラシは買い物かごの場所と離れており、またポップは商品の位置より高かった。お客は必要なもの以外なかなか目をやることはない。

・アドバイザーは入口のチラシの大きさを2倍にし、周囲の無駄な張り紙をカットし、買い物かごを移動。また、ポップの位置を商品の高さに下げる。この2つは目線の動きを測定すると明確な効果があった。

・また売りたい商品に店員の顔写真を入れたポップを設置すると明らかに視線を集め、売り上げにつながった。

後日執筆

 

・ダイドーは自販機で従来上段に主力商品のコーヒーを並べていた。これはZの流れという視線に関する定説によるもの。しかし、ダイドーが行った実験によると、お金の投入口から逆Zの動きの人の方が多かった。コーヒーを右下に置くと売り上げが増加した。

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出典:http://blog.goo.ne.jp/sjk-driving/e/734d266e470d40acc4748753132e1500

視覚に訴える資料、ウェブサイトを作成するときもZの法則はよく指摘されますが本当なのでしょうか。もう一度確かめてみる必要がありそうです。

 

「アルツハイマー」と脳科学

・若年性アルツハイマー病は、記憶が飛んでしまうことがある。例えば今年が何年か思い出せないような症状が出る。脳が健常者に比べ萎縮してしまう。取材を受けた元会社員は、仕事の場で忘れてしまうことを隠すことが大きなストレスになっていた。

・現在進行を遅らせるため田舎に移住、娘のお気に入りの箸を思い出せなくなるなど日常にも支障はある。しかしそれを隠さないことで自然な日常生活を送ることができている。

・認知症の人の数は462万人。近い将来700万人に達すると見込まれる。予防と早期の発見、進行を遅らせることが重要。自治体によってはタブレットを使った診断(画面に出てきた図形を10択で素早く選ぶなど)にも力を入れている。日常生活でも、例えばウオーキングをしながら思いついた言葉を逆に言う(例 だいこん→んこいだ)ような簡単なエクササイズも有効。海馬に「BDNF」という物質を発生させるのが効果的だが、運動しながら頭を使うことが有効。

「英語」と脳科学 脳科学を仕事や勉強に応用する

・英語が得意な人は脳をあまり使っていない。脳の省エネ化という。コツは「楽しく2200時間」取り組むこと。

・スポーツ選手もこの脳の省エネ化を活用しています。オリンピック級の選手ほど脳の関連部位を使っていない。安住アナウンサーと新人アナウンサーが同じ動画を実況すると安住アナの方がずっと脳を駆使していない。

物事を身につけるには1万時間必要だという説があります。1万時間継続してプロにならなかった者はいないと言われています。しかし、その物事に慣れて自然に努力できるという水準なら2200時間で十分というわけです。「私は失敗したことがない。なぜなら成功するまでやめなかったからだ」という格言も有名ですが、多くの人が2200時間を超える前に挫折しているのでしょう。

 

「嫉妬」と脳科学

・嫉妬は幼い子供や動物も感じることが分かっている。脳内では「前部帯状回」が関連していることが最近分かった。従来「痛み」を感じることが判明していた部位。

・例えば幼い子供にとって、母親を違う子どもに取られてしまうようなことは、加護を失って死につながるため、脳は痛みとして認識する。

・他人の不幸は蜜の味。これは脳科学的にも立証されている。

 「痛み」と脳科学

・事故などで腕を失った人は腕がない部分にも痛みを感じる(幻肢痛)。脳が残存した筋肉にも指示を出せるのに視覚的に腕が見えないことで混乱して痛みとなっている。

・取材を受けた人は、腕に接続するロボットを使うことで、痛みを克服しようとしている。ロボットであってもきちんと動くことで脳は「安心」し痛みの発生を止める可能性があります。

・MRIは生きている人や動物の脳を解析できる。また、スケールという生体をゼリーのように透明化する水溶性試薬は脳を透明化して解析できる。

「脳の一部がない病気」と脳科学

・生まれながらに脳の一部(小脳虫部)が欠損している病気があります。立って歩けるようになることもまれな重い症状です。取材を受けた子供は、「転び方」から始まる家族の献身的なリハビリで徐々にですが成長していきます。賢明な努力の結果、完全な欠損ではないことがわかりました。

「アマゾンの原住民」が生き抜く上での脳科学 話すことなく気持ちを伝える方法

・アマゾンの原住民はどのように厳しい自然のなかを生き抜くのか。アマゾンの源流に暮らすマチス族の村を訪ねる。生活はすべて自給自足で不足気味。バナナなどのほかカエルも有効活用します。カエルは毒を採取するだけ。

・選ばれた2人の長老のハンターが出陣する際には、村人が気持ちを一体化するための儀式を行う。

・深いジャングルのなかで猿を発見する。2人は会話をせず、別々に行動する。1人が獲物に矢を放つと矢は外れる。猿が逃げるともう一人のハンターが。たった2人のハンターだが、阿吽の呼吸で獲物の行動の先回りをする。何度か繰り返すうちに獲物を捕らえる。ここまで一言も言葉は交わされなかった。

100台のメトロノームの不思議

・この心の交感とでもいうものを、脳科学の立場で研究する機関がある。100台のメトロノームを使う。当初バラバラに動いていた100台のメトロノームは、放置しておくだけで驚くことに自然に触れるタイミングが共鳴して同じになっていく!メトロノームを置いた板(=環境)を通じ振動のタイミングが伝わっていくのだ。

・アマゾンの原住民の阿吽の呼吸もこれと同様のものだと考えることができる。あくびやくしゃみが伝播していくのもこれと似た現象。

・「こっくりさん」により意識しないまま手が動くのもこの交感現象で説明ができる。こっくりさんとは2人がコインに指を置くとコインが動く現象。

・こっくりさんをしているとき、被験者の脳にはある現象が起きる。被験者はある質問の答えを知っている人と知らない人。答えを知っている人については、コインが動く3秒前に脳内の「運動準備電位」が測定できる。これは無意識のまま出ている現象なので、霊現象と誤解されているがそうではない。

・注目すべきは「答え」を知らない人の脳も、コインを動かす直前に 「運動準備電位」が反応すること。指先がふれたコインという環境を通じて、あるいは近くにいるだけで脳内の信号が伝播している可能性が高い。

・話し手がある動作をし、聴き手に真似をしてもらうことでこの「交感状態」は作り出すこともできる。

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